漫才素人の考察~M-1グランプリ2019~

年末の風物詩「M-1グランプリ2019」が終わりました。

今回はかなり「濃い」大会だったのではないでしょうか。今回は個人的な考察をしてみます。

ファーストラウンド

5040組の激闘を勝ち抜いた9組+敗者復活戦で復活した1組の計10組がネタを披露するファーストラウンド。今回はかなりの激戦でしたね。

なお、各審査員ごとの点数はオール巨人さん→ナイツ・塙宣之さん→立川志らくさん→サンドウィッチマン・富澤たけしさん→中川家・礼二さん→ダウンタウン・松本人志さん→上沼恵美子さんの順とします。

ニューヨーク

トップバッターに選ばれたニューヨークの2人が披露したネタは「自分の作った歌」。

面白くないわけではなかったのですが、M-1という舞台に合っているのかどうか、という点では微妙なところ。点数も10組の中では最も低い点数でした。個人的には88点相当。

エントリーNo.2594 ニューヨーク

獲得点数…616点(87/91/90/88/88/82/90)

順位…第10位(平均獲得点数:88.0点)

かまいたち

今年がラストイヤーのかまいたち。今回は「USJとUFJの言い間違い」を4分間のネタに仕上げました。

さすがは3年連続ファイナリストといった出来で、得点も自己最高の660点を記録。2番手というやや不利な順番ながら、ファーストラウンド2位で最終決戦に進出しました。個人的には92点相当。

エントリーNo.4440 かまいたち

獲得点数…660点(93/95/95/93/94/95/95)

順位…第2位(平均獲得点数:94.3点)

和牛(敗者復活戦勝者)

3組目で「敗者復活戦」の笑御籤が引かれ、すぐさま結果が開票。その結果、3年連続準優勝という実力をもつ和牛が3年ぶり2度目の敗者復活を遂げ、5年連続の決勝戦出場となりました。

そんな和牛のネタは「内見」。内見に行く物件がすべて他人が既に暮らしている物件という題材のネタで、最終的には事故物件のボロアパートにたどり着くというオチでした。

和牛は毎年、タイムオーバーが一部の視聴者に問題視されていたようですが、今年はむしろ「すゑひろがりず」以外の全組がタイムオーバーしてしまったようなので、わざわざ和牛だけを問題視する必要はないでしょう。強いて言うならネタ時間を正式に5分間にした方がいい。

得点は652点でかまいたちに次ぐ高得点を記録。しかし、なぜか出番終了後に上沼さんにお叱りを受けるというハプニングに見舞われた上、ラストバッターのぺこぱにわずか2点差で敗北し4位敗退。4年連続の最終決戦進出とはなりませんでした。個人的には94点相当。

エントリーNo.4547 和牛

獲得点数…652点(92/96/96/91/93/92/92)

順位…第4位(平均獲得点数:93.1点)

すゑひろがりず

「異色のコンビ」枠としてやってきたすゑひろがりず。2年近く前の「新春レッドカーペット」に出ていたのを覚えていますが、きちんとネタを見るのはそれ以来。

そのネタは「合コン」。合コンにありがちな流れを、絶妙な古語を使って再現するという内容でした。

まあ、これを漫才と扱っていいのかは別として…僕個人としてはかなり面白かったです。4分以内という制約の中で、非常に上手にネタを仕上げてきたなという感想です。

順位こそ第8位とあまり伸びませんでしたが、ネット上では「新春特番で見たい」という意見が続出。確かに、ほんわかした気持ちで見られるので新春特番向きかもしれませんね。個人的には89点相当。

エントリーNo.1365 すゑひろがりず

獲得点数…637点(92/91/92/90/91/89/92)

順位…第8位(平均獲得点数:91.0点)

からし蓮根

からし蓮根のネタは「教習所」。僕はこのコンビのネタは初見だったのですが、後半はかなり面白かったです。特にツッコミ役・杉本さんが車に轢かれて詰め寄るときのボケ役・伊織さんのドライビングテクニックは爆笑しました。

ただ、前半がややパワー不足だったかなあ、というのが印象です。ブーストがかかるのが少し遅かった分、燃焼不足は否めなかったかなと。個人的には89点相当。

エントリーNo.189 からし蓮根

獲得点数…639点(93/90/89/90/93/90/94)

順位…第6位(平均獲得点数:91.3点)

見取り図

2年連続の決勝進出となった見取り図。昨年のネタも面白かったのですが、今年は「褒め合い」を題材にネタを展開。噛んだ際の「爆竹食べましたぁ!」というファインプレーも相まって、非常に面白かったです。

昨年同様に「ダンサーの綱吉って誰ぇ!?」という遅れツッコミ(と言えばいいのかな…)もぶっ込んできたので、かなり大満足のネタでした。昨年の巨人さんのアドバイス通りその本数を減らしてきたのも好印象。

僕個人としては最終決戦に残ってほしかったコンビでしたが、その後のミルクボーイがあまりに強すぎた…残念。個人的には91点相当。

エントリーNo.3659 見取り図

獲得点数…649点(94/92/94/91/93/91/94)

順位…第5位(平均獲得点数:92.7点)

ミルクボーイ

初出場となったミルクボーイ。正直言ってノーマークで、期待は何もしていなかったのですが…裏切られました。

披露したネタは「母が思い出せない料理」。それとなくコーンフレークっぽい食べ物なのですが、違う特徴が現れては「ほなコーンフレークちゃうやないかい!」、そしてコーンフレークと同じ特徴が現れると「コーンフレークやないかい!」と交互に突っ込んでいく、割と王道的な漫才でした。

しかし、不思議なことに、その「コーンフレークやないかい!」「コーンフレークちゃうやないかい!」を期待しちゃうんですよね。そしてその突っ込みの後に続く言葉に注目を向けると、期待を上回るフレーズが飛び出てきて、どんどんとミルクボーイの世界へ飲み込まれていきました。ぺこぱなどに比べると目新しさの点では劣りますが、爆発力はズバ抜けていたと思います。

それを証明するかのように、得点はM-1グランプリで審査員が7人の回としては史上最高得点となる681点を獲得(これまでは2004年にアンタッチャブルが記録した678点が最高)。ファーストラウンドを1位で通過し、最終決戦に進出しました。個人的には95点相当。

エントリーNo.297 ミルクボーイ

獲得点数…681点(97/99/97/97/96/97/98)

順位…第1位(平均獲得点数:97.3点)

オズワルド

8番手は関東芸人のオズワルド。こちらもノーマークでした。

披露したネタは「板前」。四千頭身などに見られる「声を張らないツッコミ」のスタイルでしたが、なかなか面白かったです。

ただ、タイミングがあまりに悪すぎました。あのミルクボーイのネタの後だと、どうしてもパワーダウンを感じてしまうんですよね。これはオズワルドが悪い訳ではなく、本当に運が悪いだけなのですが、非常にもったいない…かわいそう。個人的には91点相当。

エントリーNo.1178 オズワルド

獲得点数…638点(91/89/89/91/94/90/94)

順位…第7位(平均獲得点数:91.1点)

インディアンス

9番手のインディアンスは先日の「THE MANZAI」にも出ていましたね。

披露したのは「おっさん女子」のネタ。インディアンスらしいネタではあったと思います。

しかし「爆発するならこのコンビかなあ」と思っていたのですが、いまいち爆発しませんでしたね。点数もあまり伸びず。個人的には89点相当。

エントリーNo.3328 インディアンス

獲得点数…632点(92/89/87/90/92/88/94)

順位…第9位(平均獲得点数:90.3点)

ぺこぱ

ぺこぱはどうやら今年の元日に放送された「ぐるナイおもしろ荘SP」での優勝コンビらしいですね。

披露したネタは「タクシー」。僕はぺこぱのネタを初めて見ましたが、あれは新しい。「突っ込まないツッコミ」という斬新すぎるスタイルはかなり好きです。

そして勢いそのままに和牛を2点差で下し、最終決戦へと駒を進めました。

…時を戻そう。

エントリーNo.846 ぺこぱ

獲得点数…654点(93/94/91/94/92/94/96)

順位…第3位(平均獲得点数:93.4点)

最終決戦

1番手はぺこぱ。ネタは「電車」。ファーストラウンドのラストバッターから最終決戦のトップバッターという2連続の順番となりましたが、それでも飽きを感じさせない構成でした。ネタが新しすぎて、こんなツイートまでしてしまいました。

2番手はかまいたち。披露したのは「トトロを見たことがない」。山内さんの奇想天外な自慢で段々とツッコミの濱家さんが壊れていく様子も面白かったですし、最後に観客に「トトロを見たことがない人いますか?」と呼びかけ、数人が挙げることでネタの根本が崩れ落ちるという壮大なオチも完璧だったと思います。

3番手はミルクボーイ。他の2組とは違いファーストラウンドと同じ構成で挑みましたが、今度は「最中」を題材にネタを展開。正直なところ、別のネタで勝負してほしかった部分もありますが、ツッコミの内海さんのボキャブラリーの豊富さにやられました。

「史上最強の最終決戦」とも評された今回の最終決戦でしたが、審査員による最終審査の結果、ダウンタウン松本さんがかまいたちに、それ以外の6人がミルクボーイに投票。ミルクボーイの優勝が決定しました。

漫才素人の総評

今回のM-1グランプリは、過去最大クラスにハイレベルな大会だったという感想です。

今回は史上最多の5040組が大会にエントリーしましたが、ミキや四千頭身、和牛、アインシュタインといった強豪コンビが軒並み準決勝で敗退するという波乱も起きました。 ただ、ファイナリストのネタを見る限りだと、あの9組が決勝戦に駒を進めたのも納得できました。ノーマークで無名の芸人の中にも、ハイレベルなコンビがいるということを思い知らされる大会でした。

おそらく、5位の見取り図あたりまでは、例年なら最終決戦に進んでもおかしくなかったと思います。ただ、今年は史上最もシビアな戦いで、実力差もミリ単位の差だったというのが正直なところでしょう。

2015年にM-1グランプリが復活して以降、徐々にお笑い界が元気を取り戻しているように思います(バラエティが増えただけなのかもしれないけど)。特に昨年の霜降り明星の優勝があってからは、20代~30代前半の若手芸人が続々とテレビに出演するようになりました。

ぶっちゃけ、お笑い好きからすると「そろそろプライムタイムでレギュラー放送のネタ見せ番組を復活させてもいいんじゃないか?」という印象です。若手芸人があの程度まで面白いのですから、プライムタイムのネタ見せ番組が始まれば、もっとお笑い界が盛り上がりそうな気がします。

ただ、今回のM-1グランプリの生放送や演出には若干の疑問もあります。例えば、番組がスタートしてから1組目のネタがスタートするまでに40分以上もの時間がかかっていた点。TBSの「オールスター感謝祭」もそうですが、メインの企画をかなり引っ張るという特徴があるんですよね。今年は敗者復活戦の勝者発表がオープニングにあったわけではないので、せめて19時ぴったりぐらいには1組目のネタに進んでほしかったです。

続いて、「笑御籤」を引く人がラグビー日本代表の3選手だった点。演出に不可欠と言われればそれまでですが、司会の今田耕司さんか上戸彩さんが引けばよかったんじゃないの?と思いました。救いとなったのは、稲垣選手が「ゴー★ジャスがこの大会出てないので…」とボケたところ。ただ、それも普通にゲストとして呼べばよかっただけの話のような気がしますが。

そして、得点発表の時のテンポが格段に悪くなりました。昨年までは左側から一気に得点を発表していましたが、今年は審査員の名前を一人一人読み上げてから得点を発表していました。個人的には昨年までのような、スピード感のある発表の方がよかっただろと感じました。

何はともあれ、今回の大会は3時間半があっという間に感じました。ファイナリストの10組のみなさん、本当にお疲れ様でした。

おまけ:敗者復活戦での注目コンビ

おまけとして、決勝戦の数時間前に同じく生放送で開催された敗者復活戦で、僕が気に入ったコンビを1組だけ紹介します。

それは「ラランド」というコンビ。どうやら事務所には所属していない、アマチュアのコンビらしいです。 しかし、アマチュアだからといって舐めてはいけません。ネタの面白さはプロさながらでした。

「小学生」を題材にしたネタでしたが、「マイルドセブンは2012年にメビウスに変わってた」だとか「文春砲!」といったボケが新鮮で面白かったです。結果的には11位で敗者復活とはなりませんでしたが、これからの伸びに期待ができそうです。

そんなラランドですが、大晦日の深夜に放送される「ぐるナイおもしろ荘SP」に出演するそうです。来年は色々な事務所からお声がかかるんじゃないかな…

ということで、最後に一言だけ。

い~や、わわわこれこれわこれこれ~!(©東京ホテイソン)

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ななねこ

いやもういいよ!

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ドルフィン

どうもありがとうございました。

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